今年は、Thelonious Monkの生誕100年ということは、このブログの読者の皆さんであれば先刻ご存じですね。(Monkと共にDizzy Gillespieも生誕100年)
敢えて、「読もう。見よう。聴こう。」の逆順としたタイトルに従って、私のお薦めを下記します。
①Monkを読もう。
私のお気に入りは、村上春樹が編集・翻訳した「セロニアス・モンクのいた風景」です。Monkと関係が深かった、ミュージシャン・評論家・プロモーター等12人がそれぞれ発表したものを、村上春樹が翻訳。それに彼自身の想いを綴った一遍を加えたもの。これらを読むと、天才・孤高・奇人と言われたMonkについての理解が深まります。また、予測がつかないメロディーや独特のスィング感を生むMonkの音楽が、ジャズの歴史の中からどのように生まれたか、どのように位置づけられるかに関しても考察できます。(Monkを「バップの高僧」と呼んだのは、的はずれという意見に賛成です)
②Monkを見よう。
有名な、ドキュメンタリー映画「Straight No Chaser」です。製作総指揮は、あのClint Eastwood。貴重なMonkの実録映像は、1968年に撮影されたもので、Monkもまだ元気な頃です。
この映画は、単なるドキュメントを超えた作品です。Monkに興味があるジャズファンは必見、見どころ満載です。私は米国駐在時代の1989年、封切りの映画館で初めて見ました。私の英語力では、内容の半分くらいしか理解できませんでしたが、映像だけでも十分衝撃を受けました。日本版DVDの字幕で初めて内容が全部理解できました。(苦笑)
③Monkを聴こう。
<3枚に絞った私の愛聴盤>
多数あるMonkのレコードから、3枚に絞り込むのは難儀な作業でした。
<他のミュージシャンのMonk曲集>
下段の4枚は、先月のJazz Japan誌で、ジャズ評論家の岡崎正通氏が選んだ7枚の内の4枚で、私も同意見の4枚です。
左から、Wynton Marsallis、Carmen Mcrae、Steve Lacy、Bud Powellのリーダーアルバムです。いずれも素晴らしい。
上段の3枚は、岡崎氏は選びませんでしたが、私が自信を持って選んだ3枚。
左から、Tommy Franagan、Paul Motian、T.S. Monkがリーダーのアルバム。(是非一聴あれ!)
この3枚以外にも、フリー系のAlexander Von SchlippenbachのMonk集、現代音楽で有名なKronos QuartetのMonk集など、異色盤ですが面白かったです。
それでは、読者の皆さん、良いお年をお迎えください。